売上貢献度、廃棄金額、商品回転率などコンビニ経営に重要な要素の中で米飯が占める割合は大きい。当然この重要な米飯売場に多くの専門知識や人的戦力を投入することが大切である。以下、基本的な考え方を述べる。この基本的な考えを理解したうえで仮説を立て応用、発展させていくことが店舗の発展へと繋がるだろう。
1、棚割の明確化
米飯類を発注する際に担当者は納品直後の商品陳列をイメージするだろう。
米飯売場下段から弁当が数段並びその上にパックおにぎり、寿司が並ぶ。更にその上段に単品おにぎりが並ぶ。ほぼどこのコンビニでもこの陳列タイプであろう。近隣で大きなイベントがあり弁当の売り上げを捨ててでもパックおにぎり、単品おにぎりの大量販売で売り上げを獲得するといった特殊な場合を除き先に述べた陳列方法が現在の正解であろう。
弁当は下段に陳列した時に商品内容が解りやすくおにぎりは上段に陳列した時にパッケージで商品内容が解りやすくなっているようにコンビニ本部も米飯メーカーもこの陳列を基本として商品開発を行っている。
購買客層の変化する日中、夜間においても納品直前、納品直後においてもこの棚割を維持することは大切であり全従業員に対し徹底すべきである。納品後、数時間が経過し商品の販売動向が仮説と異なりフェイスに空きが出てきた場合でも横に広げることはあっても決して縦方向に移動してはいけない。例えばシーチキンおにぎりが上段の右にあっても中央にあっても顧客は問題なく認識できるが、日によってまたは時間帯によって上段にあったり下段にあったりするのでは混乱してしまう。混乱=不快感は店舗から顧客を流出させてしまう原因となってしまう。元来コンビニエンスストアは顧客からの期待値は高くない。高級レストランやディズニーランドのように高い期待値の更に上を行く料理、サービスを提供しないと顧客の満足感を得られない会社よりはるかに低い顧客からの期待値の少し上のサービスを提供するだけで顧客満足度は上昇する。米飯棚割の基本を守りこの部分での顧客からの期待を裏切ってはいけない。